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【子宮脱・膀胱瘤治療のためのリングペッサリー】私の自己着脱体験談

リングペッサリー 骨盤臓器脱
とっこ
とっこ

骨盤臓器脱になり手術を予定していた私は、手術までの「つなぎ」として、リングペッサリーをの自己着脱を試してみたこともありました。今回はその体験談を紹介します。

リングペッサリーとは?

リングペッサリーは、「リング」や「ペッサリー」と呼ばれることもあります。子宮脱(子宮下垂)や膀胱脱(膀胱瘤)などの骨盤臓器脱治療のために使われる医療器具です。

一般的にはリング状の形をしています。そうでないものもあります。膣の中に入れて、下がってきている骨盤臓器を上に持ち上げる働きをします。

リングペッサリーはどんな場合に使う?

骨盤臓器脱手術を避けたい場合

子宮脱や膀胱瘤などの骨盤臓器脱は、軽い場合は骨盤底筋運動などで治ります。しかし症状が重い場合は、私がそうだったように、手術を考えなくてはならないこともあります。

リングペッサリーは、骨盤臓器脱になった時に、うまくいけば骨盤臓器を本来の位置に持ち上げることができます。リングペッサリーを外してしまえば骨盤臓器はまた下がってしまうので、厳密には子宮脱や膀胱瘤が治るわけではありませんが、手術を回避することにはなります。

骨盤臓器脱の手術には合併症や後遺症のリスクが伴います。リスクを避けられる点で、ペッサリーを使用する価値は大きいと思います。

妊娠中のリングペッサリーはNG

ちなみに私が最初にリングペッサリーの装着を検討したのは、二人目の子の妊娠初期に初めて子宮脱になった時でした。担当の産婦人科医と相談し、次の2つの理由でリングペッサリーは使用しないことに決めました。

妊娠が進めば子宮が大きくなり、膣の外に出られなくなるので、妊娠中は子宮脱自体は改善するはず。

リングペッサリーを膣内に入れることで衛生面で問題が起こる可能性があり、胎児への影響が心配。

私の経験からすると、妊娠中に子宮脱などになった場合、リングペッサリーを使用するのは難しいようです。

骨盤臓器脱手術前のリングペッサリー

骨盤臓器脱手術は、どこの病院でも受けられる簡単なものではありません。一通りの検査を終えて手術を受けることを決めても、たいてい手術までに、少なくとも数ヶ月は待たなければならないと思います。

そこで手術を待っている間の対応として、リングペッサリーを使用する人もいます。手術を待っている間の子宮脱や膀胱瘤による頻尿・尿もれなどのトラブルを回避するためです。

私がリングペッサリーを試してみたのは、そのためです。手術を受けることを決めてから手術予定日まで半年ほどの期間がありました。手術を決めた時は尿トラブルに非常に悩まされていましたので、何とか解放されたいと、手術を待つ間、リングペッサリーを使用することを決めたのです。

リングペッサリーの自己着脱

医師任せか自己着脱か?

リングペッサリーは医師に膣内に入れてもらって放置しておく場合と、自分で毎日着脱する場合の二通りがあります。

医師に入れてもらい放置しておく場合は、数ヶ月おきに来院して医師に外してもらい、点検を受けるのですが、それまで入れたままにしておくので、オリモノやただれなどのトラブルが起きやすいそうです。そのため、せっかく手術回避のためリングペッサリー使用を選択した場合でも2年ほどしかもたず、結局は手術を受けることになる人もいると医師から説明されました。

一方、自分で毎日着脱する場合は清潔を保てるので、長く使用を続けることができるのだそうです。

私の場合は、リングペッサリーを使用するのは手術本番までの半年間だけの予定でしたので、入れたままにしておくこともできました。しかしもし自己着脱がうまくできて、かつ骨盤臓器脱の症状がみごと治まれば手術を中止するという選択もあるということで、自己着脱でリングペッサリーを使用することに決めました。

リングペッサリー自己着脱方法

看護師さんと練習

私に渡されたリングペッサリーは、白いリング状のもので、押すと曲がるやわらかいタイプでした。初めて見た時、その大きさに驚きました!「こんなものが本当に入るのだろうか?」とちょっと怖い気持ちがしました。

病院の女性看護師さんと一緒に個室に入り、練習をしました。看護師さんがリングペッサリーに潤滑ゼリーを塗ってくれました。そうすることで、リングペッサリーが入りやすくなるのだそうです。(ちなみに水で濡らすだけでも十分だというので、家庭ではゼリーは使わず水だけで済ませました。)

まずペッサリーを押して、つぶれたような形にします。まん丸のままでなく、縦長の楕円にする感じです。

そして自分をリラックスさせます。両足を肩幅より大きく開き、少し前かがみになり、タンポンを入れるような感覚で膣部にリングペッサリーを入れていきます。膣部に力を入れないようにするのがポイントです。入ったら、さらに指で奥まで押し込みます。

リングペッサリーを出すときは、指を膣に入れて、リングの輪の部分に指をかけて、下に引っ張ります。私には入れるよりも出す方が難しかったです。指はリングの輪にかかっているのに、なかなか取り出せないのです。

看護師さんいわく、排便のときにいきむ感じでお腹に力を入れるとリングが下がりやすいとのこと。なるほど、そのようにしたらうまく取り出すことができました。

家でリングペッサリー自己着脱

医師には、毎晩寝る前にリングペッサリーを外し、朝起きたら入れるようにと指示されていました。

そこで毎晩入浴中にリングを外すことにしましたが、日によってはうまくいかないことがあり、出せなかったらどうしようと、ドキドキすることもありました。そんな時は体勢を変えてみたり、いきんでみたりしながら、どうにか外すことができました。

入れるよりも外す方が苦手な私でしたが、それでも回数を重ねるごとに段々慣れていきました。

なお、リングペッサリーを入れていることで、異物感などは全く感じませんでした。また排便の際に飛び出すとか、動き回っている時に勝手に外に出てしまうということもありませんでした。

リングペッサリーの効果

さて、問題は、リングペッサリーを使うことで、骨盤臓器脱による頻尿などのトラブルが解消されたかどうかです。私の場合は、「ほとんど効果なし」でした!リングペッサリーを入れても入れていなくても、骨盤臓器脱の症状に変化は感じられませんでした。

おそらくリングペッサリーが効果的な人もいるのだと思います。リングペッサリーのお陰で、子宮脱や膀胱瘤の手術を回避できる人もいることでしょう。

一方、たとえリングペッサリーに効果があったとしても、自己着脱が面倒で手術を望む人もいると思います。

いずれにせよ、試してみるまで分からないので、骨盤臓器脱が治らずに悩んでいる人は、リングペッサリーの使用を検討してみるとよいのではないかと思います。自己着脱は初めはやりづらいと感じるかもしれませんが、慣れてしまえば難しくありません!

お勧め書籍

骨盤臓器脱を、体験談と共に丁寧に説明してくれている「女性なら知っておきたい骨盤臓器脱」を紹介します。保存療法としてのペッサリーの使用や、手術についての解説もあります。

 

とっこ
とっこ

私の場合はリングペッサリーは効果がありませんでしたが、合併症や後遺症のリスクを伴う骨盤臓器脱手術を避けるために、ペッサリーの使用を試みることは大切だと思います。ちなみに私はペッサリーでは尿トラブルなどの症状が改善しなかったので、「やはり手術を受けるしかないのだな」と思わされました。しかしながら、私の骨盤臓器脱は「ジョギングとダイエットでほぼ治る」という別の医師(現在の主治医)のアドバイスで、結局手術をキャンセルし、リングペッサリーの使用もやめたのでした。

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