【息子の場面緘黙症が治った!】原因・接し方・治療法・克服までの話

場面緘黙症の子 育児・教育
とっこ
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我が家の下の子は幼い時に「場面緘黙症」になりました。どう対応すればいいのか、いつか治るのだろうかと、とても悩みました。ここでは専門機関から受けたアドバイスや、どうやって場面緘黙症を克服できたかについてお話します。

場面緘黙症とは?

話したくても話せない

場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)とは、発声器官や言語能力に異常があるわけではないのに、特定の場所や環境において話をすることができないという心の病気です。多くの場合、家庭では普通におしゃべりをするのに、幼稚園、学校、職場などでは話ができないというものです。「選択性緘黙症」と呼ばれることもあります。

なお、すべての場面で話をすることができない「全緘黙症」や、言葉だけでなく体も固まって動けなくなってしまう「緘動」もあります。

場面緘黙症の原因

場面緘黙症の原因ははっきりわかっていないそうです。本人の気質・性格や、生育環境などの要因が絡み合って、発症するのではないかと考えられています。

私が専門機関で相談したところ、うちの息子は「場面切替が苦手な子」ということでした。新しい場面に不安を感じやすく、「満たされ感」が低いと言われました。また自分だけの世界ができるとそれに満足し、そこに人が介入してくると迷惑に感じるタイプだということでした。そんな気難しい気質が、我が子の場面緘黙症の原因の1つだったのかもしれません。

また、国際結婚をした家庭の子でバイリンガル教育を受けて育った子が、2つの言語や文化にうまく適応できないことが原因となり、場面緘黙症になることがあるとも聞きました。アメリカ人の父を持つうちの息子は、生まれた時から英語と日本語がごちゃまぜになっている環境の中で育ちました。そのことも、彼の場面緘黙症の原因だったのかもしれません。

場面緘黙症の始まり

場面緘黙症は、特定の場面で話ができないというものです。そういう場面に出会うまで、症状は外には現れないことが多いそうです。

うちの子は3歳(年少)で保育園に行き始めました。それまで専業主婦だった私が仕事を始めたからです。集団生活がスタートして、初めて「家庭の外では話ができない」という症状が息子に現れ、とても戸惑い、不安になりました。

息子はそれまでずっと家庭にいて、私にくっついて離れないような子でした。しかし急に朝から夕方まで知らない場所で過ごすことになり、新しい環境に適応できなかったのだろうと思います。集団生活を始めるのが息子には早すぎたのだろうと、後になって後悔しました。

我が子の場面緘黙の様子

話さなくても遊べる

私の息子は保育園で一言もしゃべりませんでした。夕方息子を迎えに行くと、お友達が私に「○○ちゃんはおしゃべりしないんだよ~」と教えてくれたものでした。

話ができないなら、さぞ一人でポツンと過ごしているのではないかと心配でしたが、保育園の先生や、お友達や、本人の話によれば、話さなくても他の子達と遊べていたようです。言葉を介さなくても、お友達とおもちゃで遊んだり、お絵かきをしたり、園庭で体を動かしたりして、一緒に遊ぶことができているようでした。

話すことを強要しないで、息子をそのままで受け入れてくれるお友達の存在を、とてもありがたいと思いました。また、息子にしてみれば、話さないことで自分を守り、自分の居場所を作っていたのだと思います。

母が社会との接点

息子の場面緘黙は少し変わっていて、保育園の中でも、私に対してならしゃべることができました。夕方迎えに行くと、近くに他の子ども達や先生がいても、私に普通に話をしました。

保育園で年に一度の親子遠足があった日のことです。息子は私が一緒ですから、普通にいろんなお友達とたくさんおしゃべりをしました。「○○ちゃんが話してる~!」と周囲は大騒ぎでした。

話せなくて粗相をすることも

話せないということは、どんなに必要なことでも決して口に出せないということです。保育園にはお昼寝タイムがありますが、その時に「トイレ」の一言が先生に言えないで、息子は度々布団を汚しました。

「その瞬間まで必死に我慢していたのだろうな……」などと想像すると、とても不憫に思いました。

場面緘黙症を克服するまで

専門機関で治療法を相談

息子の問題が何であるか、最初は「場面緘黙」という言葉すら知らず、悩みました。いつか治るのか、どうしたら治るのか、治療法を求めて専門機関で相談しました。ある時は1人で、ある時は本人を連れていきました。本人を連れて行くときは「お母さんが用事があるから、一緒に来てくれる?」などと言って、息子が病気であると私が思っているとは本人には気付かれないように、配慮しました。

場面緘黙症をなんとか克服したくて、私が相談に行った場所は、次の3カ所です。1度だけでなく、経過を説明してさらなるアドバイスを受けるため、何度か足を運びました。

・教育相談センター
・児童相談所
・病院(小児専門の心療内科)

場面緘黙の子への接し方

専門機関に行って分かったことは、場面緘黙症には、確実な治療法があるわけではないということでした。重要なのは、周囲の人の接し方だと教えていただきました。場面緘黙の我が子に私がどう接していくべきか、専門機関で相談にのってもらうことでだいぶ心が落ち着きました。

今、場面緘黙症で悩んでいらっしゃる方の参考になるかもしれませんので、当時の手帳を見ながら、先生方にアドバイスされた接し方などを紹介します。

☆話すことを強要してはならない。

☆返事を要しない語りかけを保育園の先生にしてもらう。
例:
〇「これとこれ、どっちがいい?」(指さしで答えられる)
×「何したい?」(言葉の答えが必要)

☆日本語が不十分なので、言葉の補強をする。
絵本読み、ままごとなど、言葉(日本語)を使った遊びを家でもっとする。本人が混乱しないように、「家ではこれから日本語を使う」と本人に説明する。

☆親子で話をする時、母親ばかりが話すのではなく、子供が話す分を多くする。

☆親がいれば他人と話をするのであれば、その機会をたくさん作ってあげる。

☆息子の物事への感じ方が少しずつ変わるようにサポートする。
例:
乱暴な子を見て怖がっているようだったら、「○○君のこと、怖いと思ったんだよね。でもあの子は~~~という事情でそうしたんだよ」と言葉にして説明してあげる。

☆社会体験を増やすことが大切。本人が行きたがるなら習い事をさせるなど。

☆親がのんびりリラックスしていることが大切。
親がゆとりをもつことは、子供に安心感を与えることになる。自分が話さないことで親が困っていると感じると、子供にとってプレッシャーになってしまう。

病院による治療

病院(小児専門の心療内科)では、場面緘黙症の決定的な治療薬はないと教えてもらいました。効果があると保証はできないが、ダメ元で服用してみようかという医師のアドバイスで、アナフラニールという処方薬を1週間ほど服用しました。子供のおねしょ治療にも処方されることがある抗うつ剤だそうです。

しかし便秘、食欲低下、夜中に目を覚ましトイレに行くなど副作用が強かったので、服用を止めました。

残念ですが、場面緘黙症を薬で治療するのは難しいようです。

環境を変えることで治った

上記のような接し方をしつつ様子を見てきたのですが、場面緘黙症を克服することはできませんでした。

場面緘黙症は子供の年齢が上がれば上がるほど、治りにくいそうです。また自然に治ることは少なく、治るには、何かのきっかけが必要だと言われています。例えば小学校から中学校に進学する際、自分が話さないことを知っている人が誰もいない中学校に行くことで、話すことができるようになる場合があるそうです。

そこで専門機関の先生達のアドバイスもあり、迷いに迷った結果、保育園に行き始めて1年半ほど経った頃、思い切って息子の環境を変えてみることにしました。

前述の通り、幸い息子は私がいればお友達と話すことができました。そこで近くに保護者が頻繁に出入りする幼稚園があったので、私が園内にいることを許可して頂き、息子をそちらに転園させることにしたのです。私が園内にいれることに加えて、幼稚園なら保育園よりも保育時間が短いので、息子の負担も少なくてよいのではないかと考えました。私は仕事を辞め、息子にとことん付き合うことにしたのです。

幼稚園の先生は、私が幼稚園にいることが自然に見えるように、簡単な雑用を与えてくださいました。息子のすぐ隣にいるのではなく、ちょっと距離を置き、幼稚園のお手伝いをするふりをしながら、少し遠くから見守るという感じです。

「息子の横にべったりいるのではなく、離れても大丈夫そうなら離れるようにする」というのは相談所の先生のアドバイスによるものです。私が遠くでもいいからいることで、息子の心に満足感を得させるのが目的だと言われました。

相談所の先生のアドバイス通り、息子の心は満足したのでしょう。初日から普通に他の子達と話して、よく遊ぶようになりました。

私は少しずつ幼稚園にいる時間を短くして、やがて全く私がいなくても、息子はお友達と楽しく話をして過ごせるようになっていきました。環境を変えることで、息子の場面緘黙症は治ったのでした。

場面緘黙症を克服して思うこと

幼い時の社会体験が大切

息子の場合、保育園に入る前の社会体験が不足していたと思います。公園で近所のお友達と遊ぶことはよくしたのですが、大人と触れ合うことが少なかったです。保育園に行っていた頃、「先生が嫌い」と私に言ったことがありましたので、どうも大人が苦手だったようです。

幼い時に、おばあちゃん、おじいちゃんや、近所の大人など、色々な人と触れ合っておくことがとても大切だと思います。

早い対応が大切

場面緘黙症は、初めのうちは「ただ内気なだけでは?」と思い、「ちゃんとお話ししなさいよ」などと叱ってしまいがちです。しかし話すことを強要することで、子供はますます「自分は話せない人だ」と認識し、追い詰められ、症状から脱け出せなくなるそうです。場面緘黙症が疑われたら、早めに専門機関で相談し、どう対応すべきかアドバイスを受けることをお勧めします。

とっこ
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場面緘黙症の克服には、周囲からの適切な対応がとても重要です。我が家の体験談が、少しでも参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

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