チック症とは
チック症の症状
チック症の症状は、パチパチとまばたきをさかんにする、頭を振る、肩をすくめる、鼻をすする、咳払いをするなどが典型的です。その他にも、目を回す、唇をとんがらせる、「あっ」「うっ」などの意味のない言葉や汚い言葉を繰り返す、叫ぶ、うなる、自分の体をたたく、ぴょんぴょん飛び跳ねる、などの症状もあるそうです。
我が家の場合は、子供達二人に咳払いのチックが、また上の娘には目をパチパチさせるチックもありました。
チック症の原因
チック症の原因は明確には分かっていないようですが、脳の神経系の異常が、気質的な要因、環境的な要因、遺伝的な要因などと関連し合い、発症すると考えられているそうです。
我が子達に初めてチック症状が現れたのは、小学校3年生頃でした。まばたきを何度も繰り返すので、見ていて非常に気になりました。
私のしつけが厳しすぎるのだろうか、細かいことを言い過ぎているのだろうか、そのせいで子供が緊張したりストレスを感じているのだろうかと、自分のいたらなさを責めました。
しかし夫の言葉が私を救いました。
俺も子供の時、ひどいチックだった。親に「やめろ」とよく言われたよ。
夫はまばたきと頭を振るチックがあったそうです。親からすれば目障りだったのでしょう。しょっちゅう止めるように叱られたのだそうです。
夫にもチック症があったということなら、我が子達のチック症は遺伝的な要素が強いのだと思います。私の育て方が原因ではないとわかり、ほっとしました。
子供のチック症の原因は、親の育て方にあるわけではありません。子供にチック症があっても、親は自分を責める必要はないです。ゆったりとした気持ちで、子供を見守ってあげさえすればよいのです。
風邪が引き金になったことも
我が子には二人とも咳払いのチックがありました。うちの子達は気管支が弱く、風邪をひくと咳がひどくなるのがよくあるパターンなのですが、風邪が治り、咳もおさまっているのに、なぜか喉だけは咳を覚えているとでもいったらいいでしょうか。風邪が治ったあとに咳払いのチックが始まることがよくありました。
特定の状況で悪化することも
小学校で学芸会などの特別な行事が近づいている時に、我が子のチック症状がひどくなったことがありました。行事が終わると自然にチックがおさまりました。緊張や不安やストレスが、チックに関係することもあるようです。
チック症の治し方
見て見ぬふりが大切
私の経験から言うと、子供のチック症の一番効果的な治し方は「何もしないこと」だと思います。目の前で子供がまばたきをしきりにしていたり、咳払いを繰り返ししていたら、親はどうしても気になります。私もそうでした。けれども大切なのは気づかないふりをすることです。
見て見ぬふりをするのは、かなり大変です。親は相当我慢しなければなりません。けれども子供がチック症になったときに、それを指摘したり叱ったりするのは一番やってはいけないことです。なぜなら指摘したところで治るものではないし、叱られるとかえってストレスになり、症状が悪化することがあるからです。
自然に治るのを待つ
子供のチック症は、症状が出たり、治まったりを繰り返しながら、ほとんどの場合、やがて自然に治ります。
私の二人の子供達もそうでした。突然症状が出て、気づかぬふりをしてほおっておくと自然に収まり、その後全く症状がないことが何カ月も続き、また突然症状が出て、その後自然に収まり……。そんなことを何回も繰り返しました。
そして小学校3年生頃に始まった二人のチック症状は、6年生頃を最後に現れなくなりました。症状が出る度に親としては不安になりますが、いつの間にか治っていました。
学校の先生に協力してもらう
子供のチック症状は、学校よりも家庭の方が出やすいことがあるそうです。我が子が学芸会前にまばたきがひどくなった時のことです。たまたま保護く会があったので小学校の先生に息子のチックのことを伝えると、先生は全く気付かなかったとのことでした。どうやら学校では、あまり症状が出ていなかったようです。
学芸会に関する緊張やストレスが関係しているかもしれないと思ったので、先生に配慮してくれるようにお願いしました。
子供が過度なストレスを抱えなくてすむように周囲が配慮することがチック症を治すことにつながりうるので、時には学校の先生に相談して協力をお願いするとよいと思います。
1年以上続く場合は病院へ行く
なお、子供のほとんどのチック症は我が家のように一過性で自然に治るものですが、中には症状が1年以上続く「慢性チック」や「トゥレット症候群」と呼ばれるものもあります。その場合は、小児精神科や心療内科で専門家の診察を受けることをお勧めします。
子供がチック症になったら親は自分を責めず、「そのうち治るから大丈夫」とゆったりとした気持ちでいるのが子供にとってもストレスにならずに望ましいです。しかし同時に、「慢性チック」や「トゥレット症候群」の可能性を頭の隅に置きつつ、チック症状がどのくらい続いているかをちょっぴり気にすることも必要だと思います。
子供のチック症を目の当たりにすると、不安になったり、イライラしたりしますよね。見て見ぬふりをするのはかなりしんどいですが、それがチック症の最も効果的な治し方です。ゆったりとした気持ちで見守ってあげましょう!
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