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バイリンガル子育てに失敗!国際結婚の我が家でも難しかった英語育児

英語教育国際結婚
とっこ
とっこ

私の夫はアメリカ人なので、周囲の人には「いいわね、ハーフはバイリンガルで」などと言われることがよくあります。けれども我が子達は「ちょっと英語が得意」な程度。国際結婚の家庭であっても、バイリンガル教育はとても難しいのです!バイリンガル子育てにどうして失敗したか、我が家の体験をご紹介します。

国際結婚の子供はバイリンガルになる?

バイリンガルとは?

バイリンガルとは、2ヵ国語を自由に使える人のことですが、そもそもどの程度で「バイリンガル」と言うことができるのでしょう?

私は夫との会話はすべて英語です。日本人としてはかなり英語が得意な方だと思います。けれども洋画を見る際は字幕スーパーが必要ですし、英語のニュースを聞く時には分からないことが沢山あります。英語の文章を書く際は辞書を使いますし、英語のサイトは読むのが面倒だと感じます。私は自分のことを、とてもじゃありませんが、バイリンガルとは呼べません。

バイリンガルとは、2ヵ国語で自由に思考し、「話す、聞く」ができる人、そして究極のバイリンガルは、加えて「読む、書く」もできる人のことかなと思います。

では、国際結婚の家庭で育った我が子達はどうかというと、私のバイリンガル子育て失敗のせいで、「ちょっと英語が得意な普通の日本人」になってしまいました(涙)

バイリンガルになれなかった我が子達

上の子は家では英語を話す

上の子(姉)は、夫と話す時は英語を使います。けれども家庭での日常会話ですから、さほど難しい話をするわけではありません。「ペラペラ」という感じではありません。もし今、アメリカの大学に留学するとなったら、全く授業についていけない程度の英語力です。

ちなみに上の子は、中学・高校と英語の勉強はほぼしませんでした。それでも英語は、得意科目ではありました。ただし、我が子程度に英語ができる人はいくらでもいるレベルです。今、難関大学と言われるところに行っています。

下の子は<父は英語⇔自分は日本語>

下の子(弟)は、家でも日本語しか話しません。一方、夫も英語しか話しません。そこで二人のやりとりは、夫(父親)は英語、子どもは日本語で、会話が成り立っています。

下の子は、中学・高校と、英語は得意な方ではありましたが、普通の日本人と同じように勉強もしていました。今、国立大学に行っています。

アルバイト先で必要に迫られれば、簡単な英語で接客をすることもあるようです。ただし接客で使う表現が分からないことも多いらしく、よく私に「~~と言いたい時は、英語では何て言えばいい?」と聞いてきます。その度に私は、「こんな英語も知らないのか」とがっかりしてしまいます。

バイリンガル子育てに失敗した理由

バイリンガル育児成功の秘訣

私は子供が生まれた時は、絶対英語育児に成功したいと強く思っていました。私はかなり教育熱心です。バイリンガル子育てについての本も何冊か読み、研究しました。アイデンティティの確立が困難になる可能性など、バイリンガル教育がもたらす弊害についても勉強しました。そして子どもが混乱しないで2ヶ国語を習得するためには、環境と言語を結びつけて育児をすることが大切だと知りました。

例えば、家の中では必ず英語、家の外では必ず日本語を使う。または父親は必ず英語、母親は必ず日本語を使うなどです。そうすることで、子供は言語が2つ存在することを認識し、混乱せずに使い分けができるようになるのだそうです。

そこで、

・家の中では必ず英語だけ使う。
・夫(父)はどこででも英語だけ使う。
・私(母)は家の外でだけ日本語を使う。

というのを、英語育児成功のための我が家のルールにしました。

日本語の伸び悩みで焦る

初めは上記のルールでうまくいっていました。上の子は、親の言うことがよく分かっているようでした。子どもが話す言葉は、日本語よりも英語の方が多かったです。

ところが2歳頃になり、近所の公園でお友達と遊ぶようになると、我が子の日本語の遅れが心配になってきました。同じくらいの子ども達と比較して、うちの子の言葉はあきらかに劣っていたからです。

日本語を使うのは家の外だけにしていたのですから、我が子の日本語が伸びていないのは当たり前のことでした。それなのに、ついつい周りの子と比べてしまった私がいけなかったのです。しかし我が家はずっと日本で生活をしていくことに決めていましたので、「このままでは、学校に行く頃には勉強も遅れて大変なことになる……」と不安になってしまったのです。

そこでついつい私は当初のルールを破って、家で日本語を使うことが多くなっていきました。日本語の絵本の読み聞かせをしたり、ひらがなを教えたりなど、教育熱心なあまりに、日本語を使わざるを得ない状況も増えていってしまったのでした。

下の子のバイリンガル教育はより困難

下の子のバイリンガル子育てはより難しかったです。なぜなら、最初の子に対しては、親が家庭で使われる言語をコントロールできます。親が必ず英語を使うことで(私はそれが守れなくなったわけですが)、子供が英語をインプットできるように管理することが可能です。

しかし下の子には、生まれた時から日本語で話しかけてくるお姉ちゃんがいたのです。弟が生まれる前に、上の子に「家庭では英語」というルールが定着していたら話は別です。しかし我が家のように母親の失敗でルールが曖昧になっている場合は、上の子に「○○ちゃんには英語で話してね」などと言っても通用しません。

その結果、私が上の子にしているように、上の子も弟に対して、英語を使ったり、日本語を使ったりと、不規則になっていました。下の子のバイリンガル教育は、生まれたばかりのスタート地点から混乱していました。

バイリンガル子育て失敗の決定打

バイリンガル育児の失敗は、子供の集団生活のスタートで決定的になりました。

上の子は4歳で幼稚園に行き始めたのですが、それによって家庭と離れている時間が長くなり、英語を使う時間がいっそう減ってしまいました。さらに、自分が属する幼稚園という社会集団ができて、幼稚園のお友達と同じことをする、つまり日本語を話すことが、当たり前になってしまったのです。

家でもお友達が見ている日本のテレビ番組を見たがり、テレビをめぐる親子のバトルが大変でした。集団の影響は強いです。親よりも友達、というわけです。

そして集団というものがもたらす影響は、小学校、中学校と進むにつれていっそう強くなり、子供達はますます英語を話さなくなりました。

下の子は場面緘黙症に

バイリンガル子育ての弊害なのか、下の子は集団生活のスタートと同時に場面緘黙症になってしまいました。場面緘黙症とは、家庭ではおしゃべりをするが、集団の中では全く話せない心の病気です。下の子については、英語よりも日本語で普通に話ができることが最優先事項になり、バイリンガル教育どころではなくなりました。

バイリンガル子育てに失敗しないために

とっこ
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上記の通り、失敗に終わった我が家のバイリンガル育児ですが、バイリンガル教育を成功させたい人のために、「これはやっておいて良かった!」「もっとやっておけば良かった!」と思うことを紹介しておきます。

アメリカの家族との接触

上の子が幼稚園の時、夫の弟家族がアメリカから我が家に遊びに来て、1週間ほど滞在したことがありました。義弟の子供(我が子達のいとこ)も一緒でした。

その1週間、不思議なことが起こりました。上の子は義弟家族と一緒にいるのが楽しかったらしく、幼稚園を休みたいというのでそうさせました。そしてその1週間、我が子は彼らと英語で話すのはもちろんのこと、私にもずっと英語で話していました。丸1週間、日本語を一言もしゃべらなかったのです。

日本語が絶対通じない親戚と一緒にいる機会は貴重ですね。バイリンガル子育てを成功させたかったら、お金がかかっても、なるべく頻繁に配偶者の親戚に会いに行くなどする必要がありそうです。

インターナショナルスクール等に通う

幼稚園に通う前は、週に2日、インターナショナルスクールのプリスクールに通わせました。夏休みには2週間ほどサマースクールにも通いました。小学校に入ってからは、週に1度、英会話スクールの帰国子女クラスにも行きました。家から遠いのに頑張って色々通ったのですよ。もっと回数や期間が長ければ効果的だったのだろうなと思います。

普段日本語を使う幼稚園や小学校に行っているのなら、それに対抗する英語の社会集団にも属するのがベストだと思います。とはいえ、どこにでもあるわけではないので難しいですが。

家庭での努力を続ける

我が家のように子供が日本の学校にやがては通う場合、「家庭では英語」というルールを守ることが最も重要だと思います。特に子供と長く時間を過ごすのが日本人の親の場合、私のように日本語を使う誘惑に負けてはいけません。

子供が日本の社会集団に属するようになったら、勉強や遊びが、すべて日本語で行われるようになります。子供の思考も、日本語でなされるようになることでしょう。せめて家庭だけでもしっかり英語環境にしておかなければ、子供はバイリンガルと言えるほど英語を身に付けることはできないと思います。

とっこ
とっこ

国際結婚の家庭でも、子供をバイリンガルに育てるのは難しいです。私の英語育児失敗談が、バイリンガル子育てを成功させたい方々の参考になれば幸いです。

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