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国際結婚で妻と子供の苗字はどうなる?カタカナ姓にデメリットあり?

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国際結婚で苗字はどうなる?

夫婦別姓が基本

我の夫はアメリカ人。国際結婚の手続きなど、今はネット上に情報が豊富にありますが、私が結婚した頃は、インターネットなるものが、まだこの世に登場してない時でした(どんだけおばさんなんだい!)。そのためお役所に電話したり、アメリカ大使館に電話したり…。分からないことがたくさんありました。

その1つが苗字の扱いです。

当時はまだ、結婚したら夫の苗字を選ぶというのが当たり前の時代で、夫婦別姓を訴えていたのは、一部の先進的な女性や専門家に限られていました。

しかし国際結婚では、外国人の人は日本の戸籍に入ることができないので、苗字も別々のままというのが基本です。職場で仕事上の必要性から旧姓を使う女性や、苗字を変えたくないばっかりに入籍せず事実婚スタイルを選ぶ女性もいることを考えると、国際結婚の夫婦別姓はお得なことかもしれません。

苗字をカタカナ姓に変えることもできる

夫婦別姓が基本の国際結婚ですが、外国人配偶者の苗字に変えることもできます。しかも私が結婚する数年前(昭和59年)に戸籍法の改正があり、以来とても簡単に変えられるようになりました。

戸籍法改正前は、苗字を変えるには家庭裁判所に行って手続きをする必要がありました。しかし改正以後は、婚姻届けから6ヵ月以内であれば、市区町村役場で「外国人との婚姻による氏の変更届」(市区町村役場にあります)という用紙を1枚提出するだけで、家庭裁判所に行かずとも、夫の苗字に変えることができるようになったのです。

ちなみに戸籍に英語など外国語は使えませんので、外国姓に変える場合は、カタカナで表記することになります。(中国や韓国など漢字を使う姓の場合は、漢字表記です。)また、当然といえば当然ですが、もとの外国語の発音に近いカタカナでなければなりません。つまり Brown という姓なのに「グリーン」という表記にすることはできません。

なお、次のようなミックスした形を使うという選択もあります。

例えば、George Thomas Brown (ジョージ・トーマス・ブラウン)さんと鈴木幸子さんが結婚した場合:

1.トーマスブラウン 幸子

2.ブラウン鈴木 幸子

3.ブラウン 鈴木幸子

しかし上記のような特殊な形は、婚姻後6ヶ月以内であっても家庭裁判所にて申請をする必要があり、簡単に認めてもらえるものではありません。但し例外として、1の場合は、スペイン系の名前であればミドルネームも姓の一部と認識されうるので、家庭裁判所に行かなくても許可される場合もあります。

苗字を変える前によく考えよう!

私の結婚が法律改正の後で、外国姓への変更が簡単になっていたこと、そして当時インターネットがなく、苗字を変えることのデメリットについて全く調べなかった私は、何の躊躇もなく婚姻届け提出と同時に、「氏変更届」も役所に提出しました。[夫の姓(カタカナ)+私の名]という最もシンプルな形です。

すると役所の窓口の人は、驚いていたようでした。夫婦別姓のままでいる国際結婚カップルが多かったのかもしれません。「本当にいいんですか?間違いないですか?よく考えてから後日提出してもいいんですよ」と幾度も念を押されました。

けれども私は古い人間ですし、大恋愛の末の結婚でした(笑)ので、夫婦が同じ苗字というのが当たり前だと思っていたのです。少しも迷わず、カタカナ姓に変えたのでした。

戸籍はどうなる?

戸籍は日本人の親が筆頭者になる

国際結婚をしたら、日本人の親を筆頭者として戸籍が作られます。外国人は戸籍に入ることができないからです。但し戸籍謄本には、外国人配偶者との婚姻事実(以下の事柄)が記載されます。

婚姻日(日本の市町村役場に婚姻届けが提出された日)
配偶者氏名
配偶者の国籍
配偶者の生年月日(西暦〇年〇月〇日)

但し配偶者の名前はカタカナ表記です。例えば George Thomas Brown さんと結婚した場合、配偶者氏名欄に「ブラウン、ジョージトーマス」と記載されます。(漢字を使用する国の外国人の場合は、漢字の記載も可。)このようにカタカナで「姓・ファーストネーム・ミドルネーム」の順番になり、ミドルネームとファーストネームはくっついて記載されます。スペースは入りません。また姓と名の間に「、」が入ります。

これは日本にはミドルネームというものがないことと、何らかの形で苗字と名前を区別する必要があるので、こういう形式になっているようです。

私が結婚した当時は今と法律が異なり、外国人は住民票に登録されませんでした。ですからこの戸籍謄本での婚姻事実の記載が、日本から発行されるものとしては唯一の家族であることの証明でした。そんな大切な証明書なのに、夫の名前がファーストネームとミドルネームが合体されていて本名とは異なっていることに、私はちょっと抵抗感がありました。けれども銀行、保険、税金等々、名前が絡んでくるところで困る場面は出てきませんでした。

子供の苗字はどうなる?

子供は日本人の親の戸籍に入り、日本人の親と同じ姓になります。従って夫婦別姓を選択した場合は子供も日本姓になり、外国人配偶者のカタカナ姓に変わることを選択した場合は、子供もカタカナ姓になります。

苗字がカタカナになるメリット・デメリット

子供の苗字のことが心配に

躊躇なく夫の苗字に変えたのは、 結婚当初は「恋は盲目」状態で、何の不安も感じなかったからなんですね(笑)。ところが結婚から数年経ち、そろそろ子供が欲しいなと思う頃になって、気持ちが暗くなってきました。

今は国際結婚はたいして珍しくはないですが、当時は私の周りには、国際結婚をしている人はほとんどいませんでした。「苗字がカタカナのせいで、子供がいじめられたらどうしよう」などと心配になってきたのです。

勢いでカタカナ姓にしてしまったことを後悔し、何とか日本姓に戻す手立てはないものかと考えたりもしました。「いったん離婚して、旧姓に戻して、再婚するというのはどうかな?」などと夫に相談して、叱られたりしたことも……(汗)

カタカナ姓はメリットの方が大きかった

ところが子供の苗字についての私の不安は、取り越し苦労でした。いじめられることなど、全くなかったです。かえって、外国姓のお陰で同級生にすぐ名前を覚えてもらえたり、友達ができやすかったりなど、得したことの方が多かったようです。上の子は、今就活中なのですが、このユニークな苗字のお陰で人事の人の記憶に残りやすく、有利になっていると言っています。

何よりも、家族が全員同じ苗字というのは、今の日本では普通なので、しっくりきます。父親だけ違う苗字だとしたら、書類を書く場面などで結婚していないように思われたり、誤解を招いてしまうかもしれません。

カタカナ姓のデメリットは?

とはいえ、カタカナの苗字で困ったこともいくつかあります。デメリットというほどではない些細なことですが、私が経験したのは……

・学校等で名簿が作られる時、うちの子だけ名前欄が2行になってちょっと恥ずかしい(笑)

・電話で名前を言う時、一回で伝わらない。

・ネットショッピング等でパソコンに名前を入力する際、エラーになることがある(最近は起こりませんが、昔はよくありました。時代と共に、会社のサイトも進化したのでしょうね。)

・美容院で名前を言うと、やたら質問される。(美容師さんとのおしゃべりが苦手な私は、美容院では旧姓を名乗るようになりました♪)

・急に印鑑が必要になった時、お店で絶対に売っていない(笑)

・子供達は英語がペラペラというわけではないので、名前負けしている(笑)

とっこ
とっこ

夫婦別姓でいられることも、ユニークな姓を持てることも、共に国際結婚の特権だとみなすこともできます。地元の役所に問い合わせてみたところ、別姓のままでいる人と苗字を変える人と、ちょうど半々くらいとのことでした。どちらがよいか、よ~く考えて決めてくださいね!

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