私は、二人目の妊娠初期に子宮脱になりました。しかし子どもが無事に生まれてくれた後、子宮脱は自然におさまったかのように思われました。ところが出産から10年ほどたった頃から下腹部に違和感を感じるようになり、頻尿もひどくなっていきました。そこで婦人科で診てもらったところ、子宮以外にも下がっている臓器があること、つまり骨盤臓器脱を起こしていることが分かりました。5年ほど様子を見たものの症状は悪化し、いよいよ我慢ができなくなり、手術を希望するまでになりました。ここではそんな骨盤臓器脱についてお話します。
骨盤臓器脱
骨盤臓器脱とは
女性の骨盤の中には、子宮、膀胱、直腸などの臓器があります。そして一番下に骨盤底筋という膜があります。骨盤底筋はハンモックのように、子宮、膀胱、直腸などを下から支えています。
ところが出産などによって骨盤底筋が傷んだりゆるんだりすると、骨盤底筋というハンモックにのっていた臓器は支えを失い、膣の方へ落ち込んでしまうのです。それが骨盤臓器脱です。
骨盤底筋の損傷やゆるみは、妊娠・出産のほか、肥満、重労働、加齢、更年期以降の女性ホルモンの減少が原因になることもあります。
骨盤臓器脱の種類
子宮脱
膀胱瘤
直腸瘤
直腸は、排便の前に便が水分を吸収する場所で、約20センチほどの長さがあります。それが膣に向かって落ち込んで、膨らんだ部分を作ってしまうのが直腸瘤です。
ひどくなると膣の外に一部飛び出して、見えてきます。直腸瘤の症状は排便障害です。便がすっきり出なかったり、残便感があります。重症な場合は、手で直腸瘤を押し戻さないと排便が出来ないこともあります。
ちなみに「直腸脱」という病気もありますが、それは肛門から脱出するものなので、直腸瘤とは全く別です。
このように骨盤臓器脱は主に3種類ありますが、原因は共通して骨盤底筋の傷みやゆるみによるもの。したがって複数の臓器が合併して下がってしまうことは頻繁にあるそうです。ちなみに私は、3つすべて発症してしまいました!きちんと予防をするべきでした!そこで皆さんが私のようにならないために、骨盤臓器脱の予防法を紹介します。
骨盤臓器脱の予防法
骨盤底筋運動(ケーゲル体操)
骨盤臓器脱の予防の基本は、骨盤底筋を鍛えることです。そのために最も効果的だとされているのが骨盤底筋運動です。
スポーツ選手が体を鍛えるには日々トレーニングを継続することが大切なのと同様、骨盤底筋運動も地道に毎日続けることが重要です。
骨盤底筋運動が効果的なのは骨盤臓器脱を発症する前ですが、発症した後でも軽度なうちは、進行をくい止める効果があると言われています。
ちなみに私はついつい面倒くさくなり、医師から勧められていたにも関わらず、骨盤底筋運動を怠けてしまいました。そして年を重ねるごとに、頻尿や膣部の違和感が悪化していきました。5年前に女性泌尿器科を受診した際には、「あなたのは骨盤底筋運動では治らない」とはっきり医師に宣告されてしまいました!
肥満解消
太った人は骨盤臓器脱になりやすいと医師から聞きました。太り過ぎ、食べ過ぎなどでお腹がふくらむと、骨盤臓器を上から圧迫してしまうからです。ダイエットが、骨盤臓器脱の予防や進行防止につながります。
腹圧に注意
余分な腹圧がかかると骨盤底筋を圧迫してしまいます。重い物を運ぶ仕事や立ち仕事中心の人は、骨盤底筋を傷めている可能性があるので注意が必要です。また慢性的な咳もよくありません。
その他、便秘にならないように気をつけましょう。お通じの際の強いいきみが、骨盤底筋を傷めてしまうかもしれません。普段から繊維質の多い食事をとり、便通を整えることが、骨盤臓器脱予防につながります。
骨盤臓器脱の症状
気づかぬうちに進行してしまうのが骨盤臓器脱の厄介なところ。私自身にあった自覚症状をリストアップしておきます。もし当てはまるものがあったら、女性泌尿器科を受診した方がよいかもしれません。
下腹部に違和感を感じる。
膣部がちょっと膨らんで何か触れる。
トイレが異常に近い。
夜中にトイレに数回起きる。
尿もれがある。
いきまないと尿が出ない。
尿が少ししか出ない。
残尿感がある。
排便がスムーズにいかない。
残便感がある。
お勧め書籍
尿トラブルなどで病院に行くのには勇気がいりますよね。まずはこちらの本を読んでみると分かりやすいと思います。私が知っている中で、多分一番分かりやすく書いてある本です。
恥ずかしい話ですが、自分の症状を思い切って打ち明けちゃいました!私の場合、一人目の子が4,000グラム近い大きな子だったことと、自分が太っていたこと、立ち仕事をしていることも骨盤臓器脱の原因になっています。大きなお子さんの出産経験がある方、肥満傾向の方、立ち仕事をしている方は、特に気をつけてくださいね!
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