骨盤臓器脱手術についての疑問
私は今から5年前の2013年に、とある女性泌尿器科にて骨盤臓器脱手術(TVMメッシュ手術)を受けることを決心し、手術予約をしたのですが、「これで治る!」という期待感と共に、心には不安がありました。
・手術をすれば必ず治るのか?
・「グラグラしている尿道が手術によって真っ直ぐになり、尿が出やすくなることで、術後に腹圧性失禁が出現する可能性がある。その場合は別の手術をする必要がある」と医師に言われたが、2度の手術が本当に必要か?
・手術前に腹圧性失禁の有無を判断できないのか?TVM手術と腹圧性失禁の手術を、同時に行うことはできないのか?
などなど、疑問が頭を駆け巡っていました。
そこでセカンドオピニオンを求めて、念のため、別の女性泌尿器科を受診することにしました。
骨盤臓器脱発症以来、何度か婦人科で診察を受け、その度に「手術はしなくてよい」と言われました。ですから手術を選択した自分の判断は正しかったのか、自信がなかったのだと思います。誰か別の医師に「手術が必要」「手術をすれば治る」と言ってほしかったのです。
そこでインターネットで調べて、骨盤臓器脱の手術件数が多い病院を探し、相談しに出かけました。そこでは内診と超音波検査を受けました。
検査後、医師に言われたことは…………?
骨盤臓器脱は手術せずに治る!
骨盤臓器脱の原因は肥満と内臓下垂
肥満解消&腸腰筋を鍛えることが頻尿改善につながる
当時の私は身長158センチ、体重63キロ。お医者さんにはボロボロに言われてしまいましたが、確かに太っていました!
肥満が骨盤底筋に負担をかけることは知ってはいました。けれども自分の骨盤臓器脱の原因は、一人目の子が大きかった(4000グラム近い)こと、産後に十分休まなかったこと、骨盤底筋運動を怠けてきたこと、立ち仕事をしてきたことだと思っていたのに、肥満がそこまで大きく影響していたとは!!
また腸腰筋(ちょうようきん)という言葉も初めて聞きました。肥満だけでなく、腸腰筋(腰背部から下腹付近にある筋肉)が弱っていることで、内臓下垂がおきていると教えてもらいました。お医者さんの説明は:
↓
内臓下垂が治らなければ、膀胱・直腸にかかる圧迫が減らない。
↓
膀胱・直腸にかかる圧迫が減らなければ、膀胱瘤・直腸瘤が治らない
というものでした。
また内臓下垂によって血行不良を起こしていて、そのため老廃物がたまり、膀胱のむくみが起こり、それが残尿感や頻尿につながっていると言われました。
ジョギングとダイエットで骨盤臓器脱治療
その医師によると、腸腰筋を鍛えるにはジョギングが一番良いということでした。毎日3キロ、ジョギングをするように勧められました。
また10ヶ月ほどかけて、食事制限をして体重を8キロ落とすように言われました。そのくらい減量すれば、直腸や膀胱に圧迫がかからなくなるだろうとのことでした。
漢方薬が頻尿に効く
医師からは「八味地黄丸」という漢方薬を処方されました。八味地黄丸は膀胱周りの血行を促進して、膀胱のむくみをとり、頻尿改善につながるのだそうです。
骨盤臓器脱手術の後遺症
この医師が私に手術を勧めなかったもう1つの理由は、私の場合、手術をすると後遺症が出そうだというものでした。
もしTVM手術をした場合、骨盤底や肛門と膣の間の部分を縫うことになるが、私の体重を考えると、その傷口は痛くてたまらなくなるだろうとのことでした。もし手術をすれば、ものすごい痛みを抱えたまま生活しなければならなくなるだろうと説明されました。
実際その医師のところには、他院で手術を受けて、そのような後遺症が出た患者さんが、今まで何人も来たことがあるそうです。痛みを無くすために、縫合部分を外して元にもどす処置をしたことが、過去に何回もあると話してくれました。
そんな手術の後遺症が出ることが予想されるなら、手術を中止するべきなのは明らかでした。医師の勧めに従い、ジョギングとダイエットで骨盤臓器脱を治すことに決めました。手術予約をしてあった病院にすぐ連絡をし、予約をキャンセルさせて頂いたのでした。
ジョギングとダイエットで頻尿改善に成功
週5日、3キロ走る
病院から帰るとすぐに近所のお店に行き、ジョギングシューズとウエアを購入! 医師に言われた3キロとは家からどこまでか、子どもに地図で調べてもらい、早速ジョギングを開始しました。いや~、初日は辛かった!私はスポーツが大嫌いなんです!
それでも「これで骨盤臓器脱が良くなる!手術の後遺症も免れる!」と思うと、頑張ることができました。医師の言うように毎日とはいきませんでしたが、週に5日は実行しました。だんだん慣れてきて、達成感というか、走るのが気持ち良くなっていきました。
ジョギングと言っても、スポーツが苦手な私は、初めは走る時の正しい姿勢など、よく分かりませんでした。後日こちらの本を読み、そこで詳しく教えている骨盤を意識したフォームで走れるようになりました。
ダイエットはプロテインで
ダイエットはプロテインを利用することにしました。特別なローカロリー食を用意するのは面倒だけれど、粉末を水に溶かして飲むだけなら簡単だと思ったので。朝と夜はプロテインだけ。どうしてもお腹が空いたら野菜を食べる。お昼はなんでも好きなだけ食べて良い、というのを自分のルールにしました。
私が選んだのはこちらの「ヘルシーバンク」のダイエットシェイク。余計な添加物がないというのが決め手でした。満腹感があり、味もおいしいので、おすすめです!
医師からは「10ヶ月で8キロ減量」と命じられていましたが、約半年で63キロ→49キロになり、14キロの減量に成功しました!(^^)! リバウンドもしていません!
手術をしない決断は正しかった!
処方された漢方薬を飲み、ジョギングを続け、減量にも成功した半年後くらいには、頻尿が随分改善されていました。夜中は必ず3回トイレに目が覚めていたのが、1回だけか、日によっては朝までぐっすり眠れるようになりました。
再び内診で下垂の具合を調べてもらいました。すると膀胱瘤は完全に治っていて、直腸瘤が少し残っているとのことでした。しかし今から手術をしたとしても、傷みという後遺症が出ることには違いはないので、やはり手術は避けるべきだと言われました。
というわけで、私の骨盤臓器脱は「手術をしなくても、ジョギングとダイエットで7割方治る」そして「手術はしない方が良い」という医師の見立ては、正しかったことが分かりました。
手術が効果的な人、どうしても必要な人もいるでしょうが、私には不向きだったのですね。あの時手術をしていたら、今頃後遺症に悩まされていたかも……?手術を回避することができて、本当に良かったです!!
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