我が家は夫婦共に非正規雇用者。世帯年収は2人合わせて1人分くらい? 今一番大きな出費は、大学に行っている子供達の学費です。今回は、学費節約についてのお話です。
国立大学授業料免除制度
国立大学学費
我が家の下の子はありがたいことに、国立大学に進学してくれました。上の子は私立大学です。国立は私立に比べると各段に学費が安いので、助かっています。それでも年間授業料は535,800円と、結構かかります。
授業料全額免除&半額免除
子供が某国立大学に合格した際、入学手続き書類が郵送されてきたのですが、その中に授業料免除申請に関する書類も同封されていました。経済的に困難で、かつ学業優秀の場合、授業料の全額または半額が免除されるとのことでした。
「経済的に困難って、よっぽど事情のある家庭に限られてるのだろうな」と思いながら、大学からの書類をじっくり読んでみました。すると免除を受けるための基準はそれほど厳しくないかも……?と分かってきたのです。そして申請してみたところ、ありがたいことに半額免除の恩恵に預かることができています。
国立大学学費免除基準
年収基準
平成13年に文部科学省から「授業料免除選考基準の運用について」という通知が国立大学宛てに出されています。平成13年といえば古いですが、それ以降変更はないようです。それによると、国立大学授業料の全額免除と半額免除対象となる基準は、家計収入が次の通りとされています。
全額免除の収入基準額 | ||
世帯人数 | 1人 | 880,000円 |
2人 | 1,400,000円 | |
3人 | 1,620,000円 | |
4人 | 1,750,000円 | |
5人 | 1,890,000円 | |
6人 | 1,990,000円 | |
7人 | 2,070,000円 |
半額免除の収入基準額 | ||
世帯人数 | 1人 | 1,670,000円 |
2人 | 2,660,000円 | |
3人 | 3,060,000円 | |
4人 | 3,340,000円 | |
5人 | 3,600,000円 | |
6人 | 3,780,000円 | |
7人 | 3,950,000円 |
ここで注意が必要なのですが、上記の「収入」は源泉徴収票の「支払金額」や確定申告時の「所得金額」と異なります。次の計算式にて算出される数字が、上記の収入基準額上の「収入」となります。
授業料免除申請上の「収入」金額の算出方法(給与収入の場合)
源泉徴収票の支払い金額をAとします。
A(源泉徴収票の支払金額) |
授業料免除選考上の「収入」 |
1,040,000円以下 | 0円 |
1,040,001円~2,000,000円 | Aー(A ×0.2+830,000円) |
2,000,001円~6,530,000円 | Aー(A×0.3+620,000円) |
6,530,001円以上 | Aー2,580,000円 |
両親共に収入があれば、上記の方法で別々に計算したあと、合算します。 また、給与収入以外の所得については、必要経費を引いた残りを「収入」とみなします。 奨学金を受けている場合は、前年度に受けた金額が収入に合算されます。
次に知っておくべきことは、特別控除の存在です。前述の文科省の通知によると次のような様々な控除があり、上記「収入」から差し引かれることになっています。
収入から差し引かれる特別控除
条 件 | 控除額 |
母子世帯・父子世帯の場合 | 490,000円 |
世帯に小学生がいる場合、1人につき | 80,000円 |
世帯に中学生がいる場合、1人につき | 160,000円 |
国公立高校生徒(自宅通学)1人につき | 280,000円 |
国公立高校生徒(自宅外通学)1人につき | 470,000円 |
私立高校生徒(自宅通学)1人につき | 410,000円 |
私立高校生徒(自宅外通学)1人につき | 600,000円 |
国公立大学生(自宅通学)1人につき | 590,000円 |
国公立大学生(自宅外通学)1人につき | 1,020,000円 |
私立大学生(自宅通学)1人につき | 1,010,000円 |
私立大学生(自宅外通学)1人につき | 1,440,000円 |
障害のある人がいる場合 | 860,000円 |
長期療養者がいる場合 | 療養のための特別な支出額 |
主たる家計支持者が別居している場合 | 710,000円 |
就学者本人(自宅通学の場合)の控除 | 280,000円 |
就学者本人(自宅外通学の場合)の控除 | 720,000円 |
授業料免除計算
それでは、実際に計算してみましょう。授業料免除申請は、前年度の収入に基づいて計算されます。
我が家の場合、昨年の夫婦2人の給与収入(源泉徴収票の支払金額)の合計は、6,255,320円でした。(実際は夫婦別々に計算してから合算するのですが、便宜上、最初から合算しておきます。)我が子の大学の申請書類では千円未満は切り捨てて記入するようになっているので、ここでもそうします。
★まず授業料免除申請上の「収入」金額を求めます。
Aー(A×0.3+620,000円)を適用すればよいので
6,255,000ー(6,255,000×0.3+620,000)=3,758,500 |
★次に、特別控除を差し引きます。我が家に当てはまる特別控除額は:
上の子(自宅通学の私立大学生):1,010,000円 本人(自宅通学):280,000円 |
収入ー特別控除額
3,758,500ー(1,010,000+280,000)=2,468,500 |
従って、授業料免除申請上の収入額は、2,468,500円となります。
★最後に収入基準額と照らし合わせます。
2,468,500円は、4人世帯の全額控除収入基準額(1,750,000円)は超えますが、半額控除収入基準額(3,340,000円)以内です。よって、半額控除は受けられるということが分かります (^^)/
次に、我が家よりももっと収入のあるご家庭を想定して計算してみましょう。
夫の年収:700万円 妻の年収:100万円 私立高校生(自宅通学)の弟がいる 本人は自宅外通学 の場合 |
★授業料免除申請上の収入
夫:7,000,000 ー2,580,000=4,420,000円 妻:104万以下なので、0円 |
★特別控除額
弟(私立高校・自宅通学):410,000円 本人(自宅外通学):720,000円 |
★収入-特別控除額
4,420,000ー(410,000+720,000)=3,290,000 |
この場合も、4人世帯の全額控除収入基準額(1,750,000円)は超えますが、半額控除収入基準額(3,340,000円)以内ですので、半額控除は受けられることが分かります。
年収基準は意外と厳しくない
上記の例のように、特別控除のお陰もあり、国立大学の学費の免除(特に半額免除)を受けられるのは、極端に年収が低い家庭ばかりではないことが分かります。とりわけお子さんの数が多いご家庭、ご主人が単身赴任されているご家庭などは特別控除額が増えますので、試算してみるとよいと思います。
学費免除基準の「学業優秀」とは?
文部科学省の通達によれば、国立大学の授業料免除を受けるには、「経済的理由で納付が困難」であることのほか、「学業が優秀と認められる者」であることとされています。年収面では条件を満たしそうでも、学業面ではどうなのかと心配されるご家庭もあるかと思います。
「学業優秀」であるかどうかは、各大学の運用に委ねられています。
例えば大学1年次の審査では、東京大学、京都大学、東京工業大学などは、大学に合格したことを「学業優秀」とみなすので、授業料免除審査において学業面は一切考慮しないそうです。
しかし大学によっては、高校での調査書の平均が○○以上と規定されている場合もあります。
ちなみに我が子の大学では学業面をどう判断しているか、よく分かりません。大学の授業料免除申請書類には、「学業優秀」の要件についての説明がないのです。但し、留年中の学生は免除を受けられない旨、記載されています。うちの子の友達で全額免除を受けている人がいるのですが、その人は単位を落としたこともあります。極端に成績が悪くなければ、学業面は気にしなくても大丈夫なのではないかと想像しています。
国立大学の学費免除を受けられるかどうかは、応募者の人数等の諸事情によっても変わってくるようです。学費の負担を減らしたいご家庭は、まずは申請してみることをお勧めします!
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