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【大学奨学金制度】返済額や返済期間は?返済不要の給付型のすすめ

節約
とっこ
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昨日、我が子が通う私立大学から授業料の請求書が届きました。毎年この時期になると、どこから学費をひねり出そうかと悩みます。うちは奨学金は借りていないのですが、「奨学金を借りるべきだったかな?」と考えたりもします。今回はそんな奨学金に関するお話です。

大学の学費を奨学金で賄うべきか?

奨学金とは借金である

我が家には大学生が2人います。夫と私は非正規雇用で働いていて、家計にゆとりはないのですが、それでも敢えて奨学金を借りていません。なぜなら奨学金とは借金だと思うからです。子供は奨学金のお陰で無事大学を卒業できたとしても、重い借金を背負って社会に出ることになります。借金と共にスタートする社会人生活は、どうしても避けてあげたかったのです。

アメリカ人である夫は、以前は「なんで親が子供の学費を払わなければならないのか?!」とよく言っていて、夫婦間でもめることもありました。アメリカでは子供が自分で働いて学費や生活費を工面したり、一度社会人になって学費を貯めてから大学に入ったりすることがよくあるようです。夫自身も給付型の奨学金とアルバイトでアメリカの大学を卒業し、親の世話になっていません。ですから、私が子供たちの大学の学費を払ってあげようとしたことを、最初はなかなか理解してもらえませんでした。

それでも今は、私の「子供に借金を背負わせたくない」という気持ちを分かってくれているようです。後述の奨学金に関連する自己破産の問題などを、私がしつこく説明したからです。

とはいえ、奨学金を借りる代わりに我が家は貯金を取り崩していますので、それはそれで将来自分の老後破産につながるかも……?? お金の悩みはつきません!

奨学金受給者の割合

我が家は奨学金を借りず、貯蓄の取り崩しで何とかやっていますが、それで間に合っているのは自宅から大学に通えるからという面もあります。地方に住む人は近くに大学がなく、実家を出てアパートや寮住まいをせざるを得なくなりますが、そうなると生活費は当然高額になります。

日本学生支援機構の平成28年度学生生活調査によると、大学生の年間学生生活費(学費+生活費)の平均は次の通りだそうです。

自宅から通学する大学生 アパート等に住む大学生
国立大学 1,090,100円 1,743,500円
私立大学 1,759,400円 2,492,500円

ちなみに同機構によると、平成28年度の学生の保護者の年間収入額平均は次の通り。

大学 短期大学 修士課程 博士課程
国立大学 841万 ____ 837万 671万
私立大学 834万 620万 864万 937万

我が家の昨年の夫婦合わせた年収は625万円です。大学生をもつご家庭は、うちよりずっとゆとりがあるんですね~!

そしていよいよ本題です。日本学生支援機構が調査したところ、平成28年度に日本学生支援機構や他の何らかの奨学金を借りた昼間部の大学生は、なんと48.9%!実に2人に1人は奨学金を借りているのだそうです。

興味深いことに、日本学生支援機構は、奨学金を受給している大学生を家庭の年収別に区分した、次のようなデータも公表しています。

 家庭の年収  奨学金受給者の割合
 1,500万円以上  1.7%
 1,400~1,500万円  0.5%
 1,300~1,400万円  0.7%
 1,200~1,300万円  1.6%
 1,100~1,200万円  2.0%
 1,000~1,100万円  4.8%
 900~1,000万円  6.8%
 800~900万円  9.3%
 700~800万円  11.8%
 600~700万円  12.0%
 500~600万円  11.9%
 400~500万円  11.2%
 300~400万円  10.0%
 200~300万円  7.9%
 200万円未満  7.8%

このデータを見て、我が家よりずっと年収が多くても奨学金を利用している方々がたくさんいるのだと知り、驚きました。奨学金受給者の11.3%は年収1,000万円以上のご家庭です。それぞれに色々な事情があるのだとは思いますが、それにしても多いという印象を受けます。それだけ大学生はお金がかかるということでしょうか。

奨学金制度とは

貸与型が一般的

大学生が借りる奨学金は、日本学生支援機構(JASSO)による奨学金が最もよく知られ、多くの大学生に利用されています。日本学生支援機構の奨学金は、次の3種類あります。

1.給付型奨学金
2018年度開始。返済不要
住民税不課税世帯・生活保護世帯が対象
支給月額:
国公立自宅通学者:2万
国公立自宅外通学者:3万
私立自宅通学者:3万
私立自宅外通学者:4万

 

2.第一種奨学金 無利子
対象者:高校2~3年の成績が3.5以上/大学の成績が上位3分の1以内の者など
家計基準の例:
4人世帯私大自宅通学者→給与収入800万円以内
貸与月額:
国公立・自宅通学:2/3/4.5万
国公立・自宅外通学:2/3/4/4.5/5.1万
私立・自宅通学:2/3/4/5.4万
私立・自宅外通学:2/3/4/5/5.4/6.4万
連帯保証人・保証人が必要(保証料が奨学金から差し引かれる方法を選べば不要)

 

3.第ニ種奨学金 有利子
対象者:高校の成績が平均以上、または大学で学業を終了できる見込みがある者など
家計基準の例:
4人世帯私大自宅通学者→給与収入1,143万円以内
貸与月額:2~12万
私立医・歯学過程は4万の増額可
私立薬・獣医学の課程は2万の増額可
連帯保証人・保証人が必要(保証料が奨学金から差し引かれる方法を選べば不要)

1の給付型奨学金は対象者が「住民税不課税世帯または生活保護世帯の人」ですので、利用できる人は限定的です。ほとんどの大学生は2か3の貸与型の奨学金を利用するしかありません。第一種の方が無利子なので望ましいですが、成績の制限があったり月額の上限が低いので、第ニ種を選んだり、第一種と第ニ種を併用する大学生も多いようです。

奨学金返済はいつから、いくらずつ、いつまで?

日本学生支援機構の奨学金の場合、貸与終了の7ヶ月目から返済が始まります。たとえば大学4年の3月まで奨学金を借りていたとしたら、卒業後の10月に返済が始まることになります。

毎月の返済額と返済年数は、借りた奨学金の総額によって異なります。

日本学生支援機構による返還例

第一種奨学金54,000円を4年間借りた私大自宅通学生:14,400円×180回(15年間)

第二種奨学金120,000円を年利0.5%で4年間借りた場合:25,282円×240回(20年間)

月々約1~3万円を、場合によっては20年もの長きにわたって返済していくことになるのですね。大学卒業後の20年間といえば、その間に結婚、出産、子育て、マイホーム取得など、人生の中で大きな出費のある時です。自分が親になり、我が子の学費を払いつつ、自分の学費も返済していく……そういう状況も十分考えられます。結婚、出産後に専業主婦になる場合は、夫に自分の学費を返済してもらう必要も出てきます。

今どきの若いカップルは、結婚を決断するにあたって、パートナーが奨学金返済義務を負っていないかを確認するという話を聞いたことがあります。奨学金を借りていたことが、結婚への足かせになる可能性もあるのです。注意しておきたいものです。

奨学金返済:滞納するとどうなる?

20年も続く奨学金の返済。途中で支払いが困難になることもあるかもしれません。もし滞納が続くとどうなるのでしょう?

★延滞金が課される。
★債権回収業者による回収業務が始まる。
★個人情報信用機関に登録され、クレジットカードを作れなくなったり、ローンを組めなくなったりする。
★裁判になる可能性がある。
★裁判で負けても返済しない場合、財産が差し押さえられる。

こんな具合に、奨学金を滞納すると大変なことになります。日本学生支援機構では、返還期限の延期や返還金の減額などの救済措置を用意しています。滞納する前に相談することが大切ですね。

奨学金による自己破産

自己破産件数の増加

奨学金を返済したいが、就職先が低賃金だったり、正規雇用につけなったりなどの理由で、どうしても返済できずに苦しむ若者による「自己破産」の増加が社会問題になっています。

自己破産とは?
借金を払えないことを裁判所に認めてもらい、支払い義務をなくしてもらう制度のこと。

自己破産は、奨学金を借りた本人のみならず、保証人となっている親や親戚によるものもあるようです。

自己破産するとどうなる?

自己破産すると、返済義務はなくなりますが、次のようなことが起こります。

★保証人に支払い義務が生じる。(奨学金を借りた時に保証人を立てず、保証料を払う方法を選んだ場合は別です。)
★財産を処分される。
★住所・氏名が官報に掲載される。

給付型奨学金を探そう

上述のように、貸与型奨学金はいつかは返済しなければならないので、返済する際の負担をよく考えて、本当に借りるしか方法はないのか、慎重に検討することが重要だと思います。

子供に借金を背負わせたくなくて、我が家は貯蓄を切り崩して学費に当てているのですが、そのほかに2つしていることがあります。

1.授業料減免の利用
2.給付型奨学金の利用

1は、国立大学に通う下の子が受けている恩恵です。ありがたいことに、授業料半額免除で大学に通わせていただいています。

2は、民間や大学独自の給付型奨学金の利用です。民間の財団法人等による給付型奨学金が多数あります。また大学によって独自の制度があり、返済不要の給付型奨学金が用意されている場合が多々あります。条件や給付額は様々で、採用人数が少ないなど、申請しても簡単に許可されるものではありませんが、それでも我が家は毎年チャレンジしています。

その結果、上の子が1度、下の子も1度、それぞれ年間30万円の給付金を頂くことができています。(申請して却下されたことも、もちろんありますが。)頂いた給付金は、ありがたく学費の一部に充当させて頂きました。

給付型奨学金は貸与型と異なり、受給できるか難しいですが、それでも申請してみる価値があると思っています。条件には「○○県出身者に限る」とか「将来○○を目指している者に限る」など、比較的ライバルが少なそうな奨学金もあります。案外、手が届きそうなものが見つかるかもしれません。是非学校のHPなどで調べてみることをお勧めします!

こちらの本は参考になる情報満載です。

 

とっこ
とっこ

大学生はお金がかかりますね。奨学金を借りられるのはありがたいですが、大学卒業後に返済できるかどうかの不安が伴います。慎重に検討しましょう!そして給付型奨学金も探して、チャレンジしてみることをお勧めします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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